積算価格高めの物件と、実勢価格の関係
2021年11月27日
GOLDSTAG 中島です。
先日までは、自宅で一日中 除湿器をフル稼働しておりましたが、最近は
ちょっとスネの辺りがカサカサ、ピリピリしてきました。
乾燥の季節の到来です。
暑くてジメッているのも嫌ですが、お肌の乾燥の時期はまた、嫌な
ものですね。
さて、今回も弊社のお客さまから、良く聞くワードのご紹介です。
「この物件、積算はどれくらいですか?」
「積算価格80%以上の物件で・・・」 などなど。
この様に、「高積算」のお声は良く聞かれます。でも、なぜ皆さん
積算の高い物件をお探しになられるのでしょうか?
・先輩大家さんに、そう教えられた。
・積算の高い物件を買っておけば、数年後売却をする際に損しない。
何故か?と聞くと、この様なお返事をされる方が多いです。
※私はちがーぅ!とおっしゃる方は是非弊社までお越しください♪
そもそも積算とは、どの様なものでしょうか?
弊社の業界での積算は、「土地と建物の評価額」を指す事が一般的です。
特に、「金融機関」が、積算価格で物件の評価を出す訳です。
基準とするものは、土地であれば「路線価」等、建物であれば「再調達
価額」等を利用します。
従って、融資の組み方としては、
積算が65%出た場合で、本人評価が物件に対して30%出たとすると、
物件価格100%+諸費用約10%としたら、足りない15%が自己資金
となる訳です。
先日、某金融機関の担当者に、「何故、物件の評価を積算価格で出すのか?」
と聞いてみました。
だって、物件の価格の妥当性を調べるなら、不動産業者に聞くのが一番
リアルではないですか?
「このアパート、5000万円で持ち込まれているのですが、5000万円
位で売買されるものでしょうかねぇ」
こんな風に、数件の業者に聞くのが一番間違いないと思いませんか?
私が「何故金融機関は積算で評価するのか?要はこんな理由ですか?」
と担当者に聞きました。
「路線価は実勢金額よりも安いので、路線価等を「評価額」として積算
すれば、万が一の時に回収しやすいからですか?」と。
回答は「yes」です。
この様な数値である「積算評価」が、物件価格の80%以上出る物件を
ご紹介して欲しい、これは果たして現実的なお話でしょうか?
問題になる事は、「実勢価格と積算評価の乖離」です。
意外かも知れませんが、お住まい(実需)の営業マンは、「積算」という
言葉を聞いた事がない方も多いと思います。
それは、「住宅ローン」の担保評価が「積算」を重視していない為で、
住宅営業を行っていて、日頃から「積算」と言う言葉は使われないのです。
収益不動産では、積算と言う言葉は飛び交います。
物件の売買には、「売主」「買主」「金融機関」の3者が関係します。
※融資を利用して購入する場合
この3者のバランスが合致した場合に売買が成立するのですが、積算という
指標は、3者のうちの「金融機関」の指標です。
この指標を「買主」が指標にする事で、「3者のバランス」は合致する
のでしょうか?
それが、「実勢価格と積算評価の乖離」に繋がるのでは、ないでしょうか?
ネットで調べると、すぐに出て参りますが、金額の違いは、
実勢価格>公示価格>路線価 この様な順序があります。
この一番高いとされる実勢価格に、一番低い路線価が近い物件を探す事は
現実的なお話でしょうか?
積算が80%出る物件とのご要望ですが、そもそも路線価が公示価格の80%
目安なのです。
でも、買っている人 居ますよ。
確かに可能性が無い、とのお話ではありませんが、その様な物件が
「皆さんの気にしている項目をクリアした状態」で出る事は、大変少ない
かも知れません。
実勢価格と積算評価の違いを実感するのに、一番分かりやすい方法は、
もしあなたが「お住まい」をお持ちの場合、ご自身の物件の土地建物の
評価証明を取得してみてください。
購入金額との差は、どれくらいですか?
先輩大家さんが、所有している物件の土地建物評価証明と購入金額の差が、
どれくらいあるか、見てみてください。
積算が80%(若しくは80%近い)物件が、どれくらいあるでしょう?
私は、「そんなもの無い!」と言っているのでは、ありません。
現実的では無いという事と、もしあった場合、1棟目購入で自己資金も
一般的、そして現金購入ではなく、融資を利用して購入する方が、その
希少な物件を購入できるチャンスがあるのでしょうか?
積算が80%出る物件を買っておけば、2~3年で積算割れの分を回収でき、
それ以降は、危なくなったら損なく売り逃げられる。
その「理屈」は分かります。理屈は合っています。
経験則ですが、積算の高い物件は、価格の割に広い物件です。
価格の割に評価額が高い物件です。
言い方を変えると、広いのに安い物件。評価額が高いのに安い物件です。
そして、利回りが高い物件。
そんな物件を探し求める事は、あなたがこれから始める「不動産事業」の
世界において、現実的なお話でしょうか?
※ちなみに、某銀行担当者は「そんな〇ソ物件じゃ、積算出ても評価
出ませんけどね」、と笑っていました。
夢と未来・希望、これからの現実・実勢とのすり合わせ。
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