フルローンの定義と基準
2021年10月23日
GOLDSTAGE 中島です。
最近、涼しい日が増えてきました。 もうこのまま秋を飛び越えて
冬・が・始・ま・る・よ(by槇原)でしょうか。
さて今回は、お問い合わせのお客様にいただくご要望で、常に上位を占める
「フルローンが引ける物件をお願いします」
について、です。
フルローンと言うのは、物件価格の100%ローンを指す場合と、物件価格の
100%+諸費用を指す場合があります。
残念ながら、現在は後者(物件100%+諸費用全部)のフルローンは、まず
出ません。
従って、今(令和3年から4年に掛けて)、収益物件を購入しようとご検討の
場合、フルローンは、「物件価格の100%ローン」を狙う、という事になり
ます。
では、今フルローンが引ける物件というのは、どの様な条件の物件なので
しょうか。
実は、更に数年前と違う事があります。
数年前まで、融資の扉が開いていた頃は、物件の評価はしっかりと行われて
居なかったと思われます。
金融機関は、その様な事を公には話しませんが、根拠としてはその頃の物件
評価が今、全然出なくて買い替えが出来ないオーナーさんが多いからです。
まともに評価査定をしていたら、2~3年で融資額の半分にも満たない評価
なんて、あり得ません。
また、フルローンを引ける「物件」と、おっしゃる方が多いのですが、フル
ローンを引く為の審査には、物件に加え「本人」の評価も重要になってきます。
従って、「フルローンが引ける物件」ではなく、「フルローンが引ける物件+
本人評価」があるかどうか、と言う事が、フルローンが引けるかどうか?の
判断基準になるのです。
フルローン=手持ち金100万円・200万円で購入出来る、と思われがち
ですが、その様なお手持ち金では、本人評価が高いはずはありません。
例を挙げると、
Aさん、年収600万円 自己資金200万円
Bさん、年収600万円 自己資金1500万円
この様な場合、年収が同じでも、フルローンを引ける方は、Bの方になるのです。
なんだ、自己資金1500万円もあるなら、フルローンじゃなくても買える
じゃないか、と感じられますよね。
自己資金が200万円しか用意できないから、フルローンを引きたいのだ。と。
しかし、これから始める「不動産事業」は、事業です。
大家さんとして、不動産事業者として、安定した長い経営が求められます。
その場合、十分な自己資金も用意していないのでは、計画性も感じられないし、
万一の場合、余裕ある自己資金で、ピンチを持ちこたえる体力もありません。
結果、フルローンと言う「優遇」を受ける事が出来ないのです。
では、自己資金が無い人は、不動産事業は始められないのか?
そうです。あまりに自己資金が少なく「1棟目」を買おうとする方は、大家業を
スタートできません。
ただし、2棟目3棟目のオーナーさんは、所有物件を担保にしたり、1棟目の
アパート経営の事業成績により、少ない自己資金で2棟目3棟目の融資を引く
事が出来るのです。
不動産事業は、不動産と言う担保物件も手に入るし、融資と言う他人の資金を
利用して、自己資金以上の資産を動かせる(レバレッジを利かせられる)ので、
株などに比べてローリターンだが、ローリスクだと言われています。
しかし、その分5万円~10万円で始められる株と違い、それなりの資金準備や
心構え等が必要になるのです。
巷では、フル引けるよー!と甘い言葉でお客様を集めて、ロクに担保評価の出ない
区分を買わされる事案も多くあります。
その様な物件を買わされてしまい、今後どうしたら良いかと、相談に来られる
お客様が多くいらっしゃいます。
今一度、申し上げます。
フルローンは「物件評価と本人評価」の両方に依って、引けるかが決まります。
フルローンが引ける「物件」ではありません。
その様な「物件」を根気よく探すのだ、と言うセミナーやコラムニストの話は
信用してはいけません。
その方々の基準や認識が、今は通用しない数年前の古い基準である場合が多いです。
不動産事業は大きな金額が動くので、慎重なご判断が大切です。
色々と情報収集を行う事は大事な作業ですが、情報収集のデメリットは、
知らず知らずの内に、収集情報が「自分の都合の良い情報」に偏ってしまう
事が挙げられます。
情報収集をしながら、弊社の様な「不動産仲介コンサルタント」にご相談
いただいて、ご自身に取ってどの様な不動産事業がマッチするのか?
収集情報を整理しながら、方向性を定めて行く事が重要です。
不動産は専門のパートナーが必須です。
資産形成・資産売却は、是非弊社へご相談ください。