家主の思いと、若かりし頃の失言

2021年10月09日

GOLDSTAGE 中島です。

ちかごろ決まって、夜中の3時に目が覚めます。

ストレスか年齢か、またはパワーが有り余っているのか。

でも、二度寝してぎりぎり会社に滑り込んでいます。困ったものです。

 

 

営業を長い事やらせていただいていると、本当に失敗談は尽きません。

覚えている事は、「良い美談」より「失敗談」が圧倒的に多いです。

その分、それが経験となって、今はしっかりと仕事に邁進しております。

 

横浜市南区で、中古戸建を買取り、新築一戸建の商品にした時の話なのですが、

京急線の某駅より徒歩5分くらいの、傾斜地に建っている築後50年くらいの

古い物件でした。

 

買取のお話で1度、中に入れて頂きましたが、それはそれは「ボロボロ」で、

荷物もぎっしり。

今でいう「ゴミ屋敷」に近い物件でした。(すみません)

 

そこには3人家族がお住まいで、売却後賃貸物件へお引越しをされる予定。

買取金額や残置物の撤去費用など、新築の建売住宅へする為の条件をまとめ

ご契約いただきました。

 

退去が終わり、まずは「残置物の撤去」です。

産業廃棄物業者を呼び、使わない荷物を所有者立ち合いのもと、運び出して

おりました。

 

とても約60平米ほどの小ぶりの建物に、入っているとは思えない量で、

使わない(壊れた)TV・ガス台・自転車・他家電類が、何個も何個も何個も何個も

出てきました。

 

そんな様子を、ご主人と私 二人で下から見上げておりました。

 

ご主人:いやぁ、荷物が多いねぇ

私:多いですねぇ

ご主人:ほんと、大変そう。申し訳ないねぇ

私:業者さん入れて良かったですよ

ご主人:建物も相当古くて痛んでいるから、大変だよねぇ

私:いやいや、来週には解体して更地になるので、大丈夫ですよ

 

 

さて、このやり取りで「失言」があった訳ですが、当時の私は気づかずに

言ってしまったのです。

 

このやり取りの後、急にご主人の顔色が曇り、悲しそうな表情になったので

しまった!と感じました。

 

どんなにボロくても、大切な我が家です。

沢山のガラクタも、その人は色々な思いや考えがあって、捨てられなかった

のです。

 

私は最後の一文を

私:長年お住まいになられた大切な物件、良い人に住んでいただける様に精一杯

 努力して、良い新築現場にさせていただきます!

こんな風に、言えたら良かったかも知れません。

 

仕事に慣れてしまう事は、本当に怖いな。と思いました。

新築が建ち、マンションに変わり、山や広場が無くなっていきます。

でも、そこに「住んでいた人」がいます。 その人は、今がどんなに綺麗な街に

変わっていても、必ず「さみしさ」を感じるはずです。

 

この経験から、買取・売却査定を行う時や、解体工事を行う際は注意をはらい、

お話をさせていただく様にしております。

 

売却する人は「お金が貰えたら良い」訳ではありません。

自分の大切な居場所を、次の「良い人」に、受け継いで欲しいのです。

 

 

 

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